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食欲の秋(犬猫の肥満の話)

病気の知識




こんにちは。アニマル医療センター 桃ペットクリニック 院長の加藤です。今年の夏はほとんど雨が降らず、レジャーには最高の夏でしたね。私は毎年の事ながら真っ黒に日焼けしてしまいました。夏も終わり涼しくなってきて人間は食欲の秋ですが、犬猫も食欲の秋です。そこで今回は犬猫の肥満についてお話します。


【人間と一緒で食欲の秋があるのか?】

犬猫にも人間と一緒で食欲の秋はあります。これは単純に気温が下がると冬に備えて体が脂肪を溜め込みたくなるという理由で、人間のように秋においしいものが多くなるからではありません。


【何月から始まり、どれくらいの期間つづくのか?】

始まりは涼しくなる10 月頃からで、12 月頃まで続きます。自然界では冬になると食料が乏しくなるため冬眠やエサを蓄えたりしますが、その名残がペットにもあります。現代のペットでは季節感が無い事も多いため自然界ほど顕著ではありませんが、多少の体重の増減はあって当然ですのであまり気にしなくて良いと思います。


【肥満になると、起こる問題や、病気はどういったものか?】

多少の体重の増減は良いのですが、肥満は病気の元です。肥満が引き起こす病気は多種有りますが、代表的なものは糖尿病・心臓病・ヘルニア・足関節異常等があります。心臓病・ヘルニア等の非常に重大な病気もあり、体重管理は飼い主さんが家庭でできる第一の健康維持法です。ワクチンや健康診断も良いですが、是非家庭用の体重計で定期的に体重測定をしてあげて下さい。


【病気にさせないためには】

その1【肥満にならないエサの量でストレスを与えてしまうのでしょうか?】
時々飼い主さんから「肥満にならない食事の量でストレスを与えてしまうのでしょうか?」という質問を受ける事があります。市販のペット用フードには種類も色々あり、ダイエット用の物も数多く発売されています。
そういう市販の物を利用するのも良いでしょうし、野菜等の低カロリーの食材で量を増やして満腹感を与えるのも良いです。ただ、注意点として手作り食や野菜等のトッピングをする場合、バランスが崩れて違う病気を引き起こす可能性もあるので、獣医さんとよく相談すると良いでしょう。私個人的には手作り食をお勧めしていますので、興味のある方はご相談ください。

その2【肥満を防ぐ方法】
肥満を防ぐ方法は単純にカロリーコントロールです。摂取カロリーと消費カロリーの差で太るか痩せるか決まります。現実的には運動で痩せる事は非常に難しいので、食べ物のコントロールが大切になってきます。おやつも1 日のカロリー摂取に含まれるので、食事だけ減らしてもおやつをたくさん与えては意味がありませんので気をつけてください。


全体的なまとめ

体重管理は非常に大切ですがとても難しく、日常の診察でもかわいさだけでおやつやフードを与えすぎている飼い主をよく見ます。ペットがおいしそうに食べている姿やおやつに喜ぶ姿を見るのは、飼い主としてもとてもうれしい時間でしょう。しかし、過度に与えすぎては結局は愛するペットを苦しめる事になるのを忘れないで、色々工夫してペットを喜ばしてあげてください。ペットは食べ物がうれしいのではなく、飼い主さんの愛情を感じる時が一番うれしいのです。ペットホテルにいるペットに見ず知らずの人がフードやおやつを与えても全く喜びませんし、緊張のあまり食べない事もあります。飼い主さんが迎えに来た瞬間は本当にうれしそうで、おやつも遊びも欲しくなく、ただ飼い主さんに会いたかったという思いでいっぱいです。こんな一途で純粋なペット達を日々見ていると、肥満にさせて後の病気を引き起こそうとしている飼い主に飼われているペットが哀れになります。

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