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犬・猫に与えてはいけない食べ物

病気の知識




こんにちは。アニマル医療センター 桃ペットクリニック院長の加藤です。今年も一年トラブルの無いよう気を引き締めて日々の診療にあたりたいと思いますので、宜しくお願いします。さて、飼い主の皆様はお正月でいろんなものを食べさせてあげたと思いますが、犬・猫には与えてはいけない食べ物があります。今回取り上げた物が全てではないですが、実際に日々の臨床で遭遇する特に注意する物についてお話しします。


【犬に与えてはいけない食べ物】

1.ネギ類(タマネギ・ネギ・ニンニク等)は溶血性貧血を引き起こします。
2.鶏肉の骨は折れたときに先が鋭くなり、消化管に刺さる事があるので非常に危険です。手術で取り出さなくてはいけなくなる事もあります。
3.チョコレート類はけいれんや心不全等を起こし、最悪の場合は死亡します。チョコレートの種類によっては、少量でも危険な物もあります。
4.タコ、イカ(特にスルメ)は消化も悪く、胃の中で膨張するので嘔吐ができなくなるほど食べると手術が必要になります。


【もし食べてしまったら…】

家庭で吐かせるのは困難だと思われますし、吐かせていいものといけない物がありますので、基本的には動物病院で処置してもらった方が良いです。何を食べたか、どれくらいの量・どれぐらい時間が経っているか等で対処法も違いますし、レントゲンで写らない物の場合はバリウム検査等が必要になる事もあります。また、食べ物以外でよくあるのが、人間の薬や化粧品、害虫駆除剤等を誤って食べてしまった場合です。この場合も薬の種類によっては早急な対応が必要になりますが、同時に肝臓等の臓器に障害を与える事も多く、長期治療が必要になる事もあります。


【猫に与えてはいけない食べ物】

猫も基本的には犬と同じですが、猫は老猫になると腎不全になる事が非常に多く、腎不全に気づかず同じ物を与えているとより腎不全の進行を早める事になってしまいます。腎不全の場合は、たんぱく質や塩分等の制限が必要になります。腎不全用の処方食がありますので、獣医さんとよく相談すると良いでしょう。また、殺鼠剤を食べ弱ったネズミを食べて、猫まで殺鼠剤中毒になった例もありますので、室内飼いの猫でも要注意です。症状として初期は嘔吐・下痢ですが、症状が進むと血便・血尿・鼻血等の各所からの出血が起こります。


【もし食べてしまったら…】

これも基本的には犬と同じで、動物病院で処置してもらった方が良いです。猫に限りませんが、緊急時ほど電話してから動物病院に行くと良いでしょう。他の急患の手術中で対応できないという事もありますし、往診中で獣医がいない事もあります。飼い主としては一刻も早く病院へ行きたいでしょうが、連絡があれば病院の方でも準備をしておくので早急な対応ができます。人間ではたらい回しでも救急車で違う病院まで連れて行ってくれますが、ペットの場合は自分で違う病院まで行かないといけなくなります。


【その他】

食べ物以外で大事なのが飲み水です。ミネラルウォーターを与えている飼い主も多いと思いますが、ミネラルウォーターは種類によってはミネラル分に偏りがある物があり、病気を引き起こす事があります。日本でも地域毎に病気の傾向が有り、その要因の一つが飲み水である事もあります。名古屋の場合は水道水が良質ですので、浄水器に通せば問題なく使用できます。


全体的なまとめ

食事というのはデータを取るのに長期間をかけないと結果がでないこともあり、あいまいな点も多い分野です。人間の食べ物でも数年前までは推奨されていたのに、いつのまにやら発ガン性物質に変わっている例もよくあります。現在分かっている以外にも、長期に大量摂取し続けると有害な食べ物もあると思われるので、あまり偏らずまんべんなく色々な食材を与えることができれば、ペットにも良いのではないかと思います。手作り食を勧める意見やペットフードのみを勧める意見等様々有りますが、その裏には色々な思惑があるように思えます。地位や権力やお金に固執することなく、いつまでも一獣医として中立でペットのための判断をしたいものです。

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