無駄吠えとは飼い主さんが吠えてもらっては困る、と感じたときに吠えることをさし、飼い主さんの主観によるところが大部分です。つねに吠える犬は、精神的に不安定で病気になりやすいため、たとえ飼い主さんが気にならなくても、やめさせたいものです。生後2~4ヶ月を自然に近い状態で育てるとほとんど吠えない犬になります。
(1)要求咆哮(ようきゅうほうこう)
(2)威嚇咆哮(いかくほうこう)
上の2つを見てみましょう。(1)は寂しい、お腹がすいたなど相手に何かして欲しい時に吠えます。つまり、相手に寄ってきてもらわなければなりません。(2)は怖いときや、気に入らないとき、争うときに吠えます。こちらは逆に相手に遠ざかって欲しいわけです。同じ”吠える”でも正反対の理由なんですね。
皆さんはシマウマの鳴き声を聞いたことがありますか?ちょっと変わった鳴き方をするのですが、普段は声を発しないといっていいでしょう。野生動物にとっては”鳴く、吠える”という行為はあまりメリットがないためです。追う側も追われる側も相手に見つかってしまっては困りますものね。生後まだ2ヶ月の子ライオンでさえ象が近づくと、草むらでじっと息を潜めるのです(ライオンは象を恐れます)。 その他、鳴いて親や仲間におねだりしても、何も手に入らないということも鳴かない理由の一つでしょうね。
人と暮らす動物はどうして吠えるようになってしまうのでしょう?それは人が鳴き声に反応しすぎてしまうためです。 人の手を加えずに母犬に子育てをさせると、生後2ヶ月ともなると離乳はとうに完了しており、母犬は何でもかんでも与えるようなことはしません。この時期は人間の年齢に当てはめると幼稚園児くらいです。時間になったら落ち着き無くせかす子犬に、赤ちゃんだと勘違いして無償でご飯を与えたり、鳴くからと抱っこしたり小屋から出したり、あやして手を咬ませる…と、ついつい世話を焼いてしまいます。しかし、相手は幼稚園児と同じぐらいの歳ですから、”どうすれば飼い主が思い通りに動いてくれるのか”を学習するのに大して時間はかかりません。
上の1,2,3をみてきましたので、もうおわかりですね?簡単に言ってしまうとそれぞれに”逆の態度”で接することで吠えなくなるわけです。例えば要求咆哮なら遠ざかり、威嚇咆哮なら近づくといった具合です。言い方を変えると同じ吠えるでも要求咆哮と威嚇咆哮を取り間違えてしつけると悪化してしまいます。
ワンちゃんのして欲しい事は、よい行動(静かにしている時・目を見てきた時・命令に従った時など)をしたら満たすようにし、飼い主にとって困るアクション(吠える・咬む・飛びつくなど)を起こしたときは、その要求をのまないことです。
子犬の場合ほとんどが1.でお話した(1)要求咆哮ですから、世話をやかない事が一番です。この時期子犬から何かを要求してきた時一番効果的なのは吠えやむまで出かける事です。鳴きやんだら戻ることを繰り返します。家に来たときからはじめれば長くても1週間、覚えの良い子なら1日で鳴かなくなります。
一般的に子犬期は(2)の威嚇咆哮はないのが普通で、あっても遊び程度です。しかし、道理も主人もわからぬ子犬に力ずくでねじ伏せて叱ったり、一度に怖い体験をするとわずか3ヶ月でも本気で威嚇をはじめます。飼い主はしつけのつもりでも、子犬にとっては悪いことをしているという意識が無いため、ただただ恐怖で”生きるために倒さなければならない相手”として映るのです。放っておけば咬み犬になる危険があるので、子犬は叱らないで下さい。
成犬の場合も基本は同じですが、生い立ちによってしつけに大きな差が出てきますので、できればお近くの訓練士さんにご相談されることをお勧めします。
住マイルワン(名古屋)では無料のしつけ相談や有料の出張訓練も行っております。